Instagramの月次レポートを作るとき、「どの数字を載せればいいか」「前月より増えた・減った以外に何を書けばいいか」で迷うことはありませんか。月次レポートは、今月の結果を共有し、来月の運用を決めるための資料です。最初に目的に合う指標を選び、変化の理由を考え、次に試す施策までまとめると、上司やクライアントとの話し合いに使いやすくなります。この記事では、Instagram分析ツール「HINOME」を提供する弊社が、月次報告の構成と分析コメントの書き方を解説します。掲載する数値・投稿・コメントは、説明用に作成した架空の例です。Instagram月次レポートに入れる基本項目最初は、次の6項目をまとめましょう。すべての指標を並べるより、運用目的に関わる変化を説明できる構成にすることが大切です。項目記載する内容報告で答えたいこと今月のまとめ主な結果、課題、来月の方針今月はどうだったか目標と実績目的に合うKPI、目標、実績目標にどれだけ近づいたか月次の推移前月との比較、数か月の変化一時的な変化か、続いている傾向か投稿別の振り返り好調な投稿、改善したい投稿どの企画や表現を続けるか読者・行動の確認属性、プロフィール閲覧、リンクのクリックなど届けたい人に届き、次の行動につながったか翌月の施策実施内容、担当、確認する指標次に何を試すか日次推移や投稿ごとの詳細は、変化を説明する根拠として使います。冒頭に要点をまとめ、必要に応じて詳細を見る順番にすると、報告相手も判断しやすくなります。手順1:運用目的に合わせてKPIを決めるフォロワー数が増えても、問い合わせや購入が増えるとは限りません。最初に「Instagramで何を実現したいか」を決め、その目的に近い指標を選びましょう。運用目的確認する指標の例あわせて確認すること認知を広げるリーチ、閲覧数広告の有無、届けたい層に届いているか投稿への関心を把握する保存、シェア、コメント投稿内容、投稿数、リーチとの関係アカウントへの関心を高めるプロフィール閲覧、フォローの獲得プロフィールや投稿の訴求内容サイトへ誘導するリンクのクリック、サイト側の流入リンク先と案内文が合っているか登録・問い合わせを増やすサイト側で計測した登録完了・問い合わせ完了クリック後にどこで離脱しているかリンクのクリックは、登録や購入の完了とは別の行動です。成果を報告するときは、どの地点まで計測できているかを明記します。指標の選び方や計算方法は、Instagram運用のKPIと比較方法も参考にしてください。手順2:期間と比較条件をそろえる集計前に、対象期間・データ取得日・比較対象を記載します。月次レポートの中でも、データによって対象期間が異なる場合があるためです。例えば、月間の実績と、取得日時点のフォロワー属性、直近30日間の属性を同じ「今月のデータ」として扱うと、読み手が誤解する可能性があります。それぞれの集計期間を確認し、異なる場合は分けて表示しましょう。前月比較では、次の条件も確認します。月の日数と投稿数が違っていないか。広告やキャンペーンを実施したか。フィードとリールの投稿割合が変わったか。投稿後の経過時間がそろっているか。率の分子・分母が同じ定義になっているか。月初の投稿と月末の投稿では、反応が積み上がる時間が異なります。投稿の初速を比較する場合は「投稿後24時間」など、同じ経過時間のデータを使いましょう。また、日別のリーチを足すと、複数の日に見た人を重複して数える可能性があります。日次の合計を、そのまま月間のユニーク人数と表記しないようにします。手順3:全体の結果を短くまとめる冒頭のまとめは、「何が変わったか」「何が課題か」「来月何をするか」の3点で書くと整理できます。以下は、架空のアカウントの記入例です。数値は実在する顧客の実績や、成果の目安ではありません。指標前月今月前月との差投稿数(フィード・リール)8件8件0件プロフィール閲覧数1,000回1,200回+200回プロフィール内リンクのクリック数100回96回−4回クリック数 ÷ プロフィール閲覧数10.0%8.0%−2.0ポイントまとめの記入例今月はプロフィール閲覧数が前月より200回増えました。一方、プロフィール内リンクのクリック数は4回減り、閲覧数に対するクリック数の比率は10.0%から8.0%に下がりました。プロフィールを見た後の案内に改善余地がある可能性があります。来月はリンクの案内文を見直し、同じ定義で閲覧数とクリック数を確認します。この例の比率は、回数を使った参考指標です。「プロフィールを見た人の8%がクリックした」という人数ベースの転換率ではありません。また、案内文が原因だと断定せず、流入した人の関心やキャンペーンの違いも確認します。手順4:投稿別の結果から改善の仮説を立てる投稿のランキングは、目的に合う指標で作ります。保存を増やしたいなら保存、サイト誘導を重視するなら誘導に関わる行動を見るなど、評価軸を決めましょう。いいねやエンゲージメント数だけで、すべての投稿の良し悪しを決める必要はありません。リーチが大きい投稿は反応数も増えやすいため、件数と率をあわせて確認します。以下も、説明用の架空データです。同じ投稿形式・投稿後24時間・広告なしで比較した想定です。投稿のテーマリーチ保存数保存数 ÷ リーチ手順をまとめた投稿A2,000804.0%お知らせ中心の投稿B2,000201.0%分析コメントの記入例投稿Aは、同じリーチの投稿Bより保存数が多い結果でした。後から見返せる手順を掲載したことが、保存につながった可能性があります。次月は別のテーマでも手順型の投稿を作り、投稿後24時間の保存数と保存率を比較します。ここで大切なのは、1本の結果だけで「手順型なら必ず伸びる」と決めないことです。テーマや見せ方の違いも記録し、複数の投稿で確かめます。投稿時間を検証したい場合は、Instagramの投稿時間を見つける方法も参考になります。手順5:翌月の施策を実行できる形にする「投稿を改善する」だけでは、担当者によって解釈が変わります。何を変え、いつ実施し、何で判断するかまで記載しましょう。課題・仮説翌月に実施すること確認する指標プロフィールからリンクへ進む動機が弱い可能性リンク先で得られる内容が分かる案内文に変更プロフィール閲覧数、リンククリック数、その比率手順型の投稿が保存につながる可能性別テーマで手順型の投稿を2本作成同じ経過時間の保存数・保存率実際の報告書では担当者と実施日も加えます。翌月は、前回決めた施策を実施したか、その後の数値がどう変化したかを最初に振り返ると、報告と改善がつながります。フィード・リール・ストーリーズは分けて振り返る投稿形式が違うと、内容の届け方や読者に期待する行動も変わります。全投稿を一つのランキングにまとめる前に、同じ形式の中で比較しましょう。フィード:保存される理由と次の行動を確認するフィードでは、リーチと反応数を見たうえで、投稿の目的に合う行動を確認します。ノウハウをまとめた投稿なら保存、商品紹介ならプロフィールや商品への関心など、企画時に期待した行動と照らし合わせます。カルーセルの改善では、表紙の約束と中身が合っているか、説明の順番が分かりやすいか、最後に案内する行動が内容とつながっているかを振り返ります。数値だけで閲覧者の気持ちを断定せず、投稿内容を横に並べて仮説を考えましょう。例えば保存数が増えても、投稿数が倍になっていれば、1投稿あたりの反応は下がっているかもしれません。合計と投稿単位の両方を見ることで、「本数を増やした効果」と「企画そのものの変化」を切り分けやすくなります。リール:再生された後まで見るリールは再生数だけで評価を終えず、確認できる範囲で平均再生時間、保存、シェア、フォローなども見ます。長さの違う動画を平均再生時間だけで順位付けすると、長い動画が有利に見える場合があるため、動画の尺も記録しましょう。冒頭の表現を検証するなら、テーマや尺が近い動画を比較します。再生数が増えてもプロフィールへの関心につながらなかった場合は、動画のテーマとアカウントで提供している情報が合っているかも確認します。「冒頭3秒を変えたから伸びた」と断定するには、ほかの違いも考える必要があります。月次報告では、変更した点、結果、まだ分からない点を分けて書くと、次の検証につながります。利用する画面や出力ファイルにない項目を、取得できたものとして記載しないことも大切です。ストーリーズ:見てもらえたかと案内先への行動を見るストーリーズでは、リーチや閲覧数に加え、目的に応じて返信やリンクへの反応など、確認できる行動を振り返ります。数枚に分けた企画は、各ページで何を伝えたかを記録すると、構成の改善を考えやすくなります。例えば1枚目が予告、2枚目が説明、3枚目が案内であれば、案内まで見てもらえたかを確認します。ただし、途中のページから見る人もいるため、各ページのリーチの比率をそのまま厳密な離脱率とは扱わないようにします。投稿頻度や掲載時間が違えば、閲覧機会も変わります。前月と同じ条件かを確かめ、案内文・構成・掲載タイミングのうち、翌月どれを検証するかを決めましょう。状況別:分析コメントの書き方考察は「事実」「仮説」「次の確認」の順番で書くと、観測した結果と担当者の解釈を区別できます。以下のコメントも、実在するアカウントの評価ではなく、架空の記入例です。好調だった場合手順型の投稿Aは、同じリーチの投稿Bに比べて保存数が60件多くなりました。見返して使える内容が保存につながった可能性があります。次月は別のテーマでも同じ構成を試し、投稿後24時間で比較します。「好調でした」で終わらず、再現を試したい要素を書きます。企画、表紙、説明の順序を一度にすべて変えると、どの要素が関係したか分かりにくくなるため、検証したい点を絞りましょう。数値が下がった場合プロフィール閲覧数は増えましたが、リンククリック数は前月の100回から96回に減少しました。閲覧数に対するクリック数の比率も低下しています。案内文に加え、プロフィールへ来た人の関心とリンク先の内容が合っているかを確認します。減少を隠さず、どの段階に課題がありそうかを示します。「全体が悪かった」とまとめるより、伸びた点と伸びなかった点を分ける方が、修正する場所を選びやすくなります。原因が分からない場合今月の変化は確認できましたが、投稿テーマと配信条件も変わっているため、原因を一つに絞れません。次月は条件の近い投稿を比較し、広告・企画・公開日時を記録して判断材料を増やします。原因不明と書くこと自体は問題ではありません。何の情報が不足しているか、どう確かめるかを明確にしましょう。根拠なく「アルゴリズムの影響」と説明すると、自社で実施できる改善が見えにくくなります。件数が少ない場合対象となる投稿が少ないため、今回の順位だけでは傾向を判断できません。同じ形式の投稿を継続して記録し、複数の結果を見て企画の優先度を決めます。1回から2回への増加は100%増ですが、実際の差は1回です。母数が小さいときは増減率だけを大きく取り上げず、件数を一緒に示しましょう。そのまま構成を参考にできる月次報告の完成例ここまでの架空データを使い、提出する資料の流れをまとめます。業種ごとの標準値や、HINOMEを利用した成果を示すものではありません。図:記事用に新規作成した架空の報告例。HINOMEの実際の画面・出力帳票ではありません。1ページ目:目的・実績・結論目的: Instagramからサービス紹介ページへ進む行動を増やす。実績: 投稿数は前月と同じ8件。プロフィール閲覧数は1,000回から1,200回へ増加。プロフィール内リンクのクリック数は100回から96回へ減少。結論: プロフィールへの関心は増えた一方、その先の案内に改善余地がある可能性がある。まず案内文とリンク先の内容を確認する。目標値が決まっていない場合は、後から都合のよい目標を置いて達成扱いにせず、「今回は前月比較。次月の目標は合意後に設定」と記載します。すでに目標がある場合は、前月比と目標達成率を分けて示します。2ページ目:判断の根拠となる投稿例手順型の投稿Aはリーチ2,000、保存80。お知らせ中心の投稿Bはリーチ2,000、保存20。同じ形式・同じ経過時間・広告なしで比較したことを添えます。ここでは、保存を促す企画の仮説を説明します。この2投稿だけではプロフィール閲覧数全体の増加理由は分からないため、「投稿Aが全体を伸ばした」とは結論付けません。アカウント全体の変化と、個別投稿の結果を混同しないことが大切です。3ページ目:翌月の実行計画プロフィールの案内文は、リンク先で得られる情報が分かる表現へ変更します。変更日を記録し、変更前後の閲覧数・クリック数・比率を確認します。同時期のキャンペーンや投稿内容も残しておきます。投稿では、手順型の企画を別テーマで2本試します。担当者、公開予定日、確認日を決め、投稿後24時間の保存数と保存率を記録します。「改善したか」は、実施の有無と結果の両方で判断します。案内文を変えてもクリック数が増えなければ、次はリンク先の訴求や流入した人の関心との一致を確認する、という次の検討につなげます。データ収集から提出までの作成手順毎月の作業は、次の順番で進めると確認漏れを減らせます。図:月次レポートを作成する5つの工程。1. 対象期間と提出先を決める月初から月末までの実績なのか、特定のキャンペーン期間なのかを決めます。提出先が知りたいことも確認しましょう。経営層への報告と、投稿制作担当者への振り返りでは、必要な詳細が異なります。まず共通の総括を用意し、必要な詳細を補足する形にすると、同じ数字を何度も集計し直す作業を減らせます。2. 数値と施策の記録を集める利用する分析画面やツールから、確認可能な指標を集めます。データと一緒に、投稿テーマ、公開日、広告、キャンペーン、プロフィールの変更日も記録してください。欠損した項目は0にせず「未取得」などと示します。0件は「取得した結果、発生しなかった」という意味なので、取れなかったデータと区別する必要があります。3. 比較表とグラフを作る前月との差を確認し、変化の大きい指標を選びます。長期の流れを見るなら月次の折れ線、投稿の比較なら棒グラフ、正確な値を示すなら表が向いています。グラフには期間、単位、集計対象を付けましょう。率の平均にも注意が必要です。例えば、保存率10%の投稿と1%の投稿があっても、リーチが異なるなら単純平均の5.5%が全体の保存率とは限りません。全体を計算する場合は、同じ対象の保存数の合計を、対応するリーチの合計で割った指標など、集計方法を明記します。投稿別リーチの合計は重複を含むため、アカウント全体のユニークなリーチとは区別します。4. 考察と施策を対応させる数値が変わった箇所を確認したら、各課題に対して次の行動を一つずつ書きます。報告には「分かったこと」と「確かめたいこと」の両方があって構いません。担当者の感覚を仮説として書く場合も、どの投稿や数値から考えたのかを添えると、報告相手が判断しやすくなります。5. 提出前に内容を確認する期間、桁、単位、率の分母、前月との差を見直します。本文とグラフで数値が食い違っていないか、仮説を断定として書いていないか、提案した施策に担当と実施日があるかも確認しましょう。クライアントへ提出する場合は、対象アカウント以外の情報が混ざっていないか、必要のない内部メモが残っていないかも確認します。報告後に決まった対応は次月の確認項目へ残しておくと、毎月の振り返りが積み重なります。月次レポートでよくある疑問すべての指標を載せる必要はありますか?報告の目的に合う主要指標を中心にまとめましょう。詳しい投稿データや日次推移は、変化の理由を調べるための補足として整理すると使いやすくなります。数字が下がった月は、どう報告すればよいですか?下がった事実を示したうえで、投稿数、広告、企画、比較期間の違いを確認します。原因が分からない場合は、そのことを明記し、次月に何を確認するかを書きます。根拠のない理由を付ける必要はありません。フォロワーが増えれば成功といえますか?運用目的によります。登録や問い合わせが目的なら、サイトへの移動と完了件数も確認します。フォロワーの増加だけで事業への貢献を判断せず、目的に近い行動と合わせて評価しましょう。毎月、同じ形式でよいですか?主要な項目と指標の定義はそろえると比較しやすくなります。そのうえで、今月の施策や課題に応じて詳しく見る項目を追加します。定義を変更したときは、過去の数値とそのまま比較できるかも確認してください。HINOMEで日々の分析から月次報告につなげる月末に数字を集め始めるより、日々の投稿やアカウントの変化を確認しておくと、月次レポートで説明したい点を整理しやすくなります。弊社が提供するHINOMEでは、無料プランから投稿・アカウント・初速分析を利用できます。レポート出力は有料プランの機能です。Excel形式での出力が必要な場合は、対応プランを確認してください。HINOMEの無料・有料プランと出力形式出力した数値を確認し、運用目的に合う指標を選び、考察と翌月の施策を加えて報告に仕上げましょう。HINOMEに無料登録して、投稿の分析を始めるレポート出力に対応するプランを確認する登録前に、分析するInstagramプロアカウント、それに連携したFacebookページと管理できるFacebookアカウント、登録用メールアドレスを準備してください。登録画面の案内に沿って連携を進めます。登録前の準備について月次レポートでは、「結果」「原因の仮説」「次に試すこと」をセットでまとめましょう。毎月の報告を、次の投稿や導線を改善する機会にできます。