広報や集客の一環としてSNSを利用する機会が多くなっており、そのなかでもInstagram運用は注目を寄せられるSNSの1つです。しかし、「そもそもどのような手順で始めればよいのか?」「運用を開始したもののうまくフォロワーが増えない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで本記事ではInstagram運用を成功させるコツを紹介します。Instagramの基礎知識や運用の注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。■インスタグラム分析ツール「HINOME」→詳細はこちら1. Instagram(インスタグラム)の基礎知識運用のコツを紹介する前に、Instagram(インスタグラム)の基礎知識について紹介します。サービスの特徴や重要視されている理由について解説するので、運用する際は理解しておくのがおすすめです。1-1. Instagram(インスタグラム)とはそもそもInstagramとは、画像や動画がメインとなるSNSです。世界規模で見ると、アクティブユーザー数が10億人を超えており、日本だけでも3,000万人以上となっています。Instagramの機能は多岐にわたり、メインとなるフィード投稿に加え、24時間のみ表示されるストーリーズ、ショート動画を投稿できるリール、気になる商品を購入できるショッピング機能などがあります。1-2. ビジネスにおいてInstagram運用が重要視される理由プライベート用として利用されることの多いInstagramですが、ビジネス用としても活用しやすいのがInstagramです。魅力的な写真を投稿することで正解を作り出すことができ、企業のブランディングとなります。また、Instagramのユーザーは、ブランドに対する興味関心が高く、ビジネスアカウントをフォローする利用者は90%に登っています。※画像出典元:Instagram公式HPストーリーズやインスタライブ機能を用いることで、フォロワーとのコミュニケーションを活発に取ることができ、信頼関係を築きやすいのもInstagram運用のメリットです。2. Instagram運用開始前に押さえておくべきポイントInstagram運用を開始する際は、大前提として以下の2つのポイントを押さえておくことが重要です。2-1. Instagram運用が自社に必要な理由そもそも「自社になぜInstagram運用が必要なのか」明確な理由を持っておく必要があります。そして重要なのは運用目的を具体化することです。例えば、単にECサイトからの売上を伸ばしたいという理由であれば、Instagramではなく、広告を回したほうが早いというケースにもなりえます。「ECサイトでの購入者が若年層の女性が多く、Instagram運用をして同様のターゲットにアプローチしたい」など、なぜInstagramである必要があるのか明確にすることが重要です。2-2. Instagram運用で確認すべき指標闇雲にInstagram運用をしても、アカウントが伸びるかは運次第です。また、フォロワーの伸びが減少したとき、逆にフォロワーが伸びたときの理由が分からず、再現性のないアカウント運用となってしまいます。Instagramのフォロワーを伸ばすために重要な指標は、ある程度決まっているため、自社アカウントの数値を追うことが大切です。具体的な指標は以下のとおりです。ホーム率(リーチ数の内ホームから見られた割合)エンゲージメント率プロフィールクリック率フォロー率投稿をフォロワー外に拡散させるためには、投稿に対する反応速度が重要になるため、自身のフォロワーにいち早く届け、いいねや保存など多くのアクションを獲得することが重要です。それぞれの指標については、以下の記事で解説しています。関連記事:インスタグラム分析4つの方法は?重要となる7つの指標も紹介3. Instagram運用に必要なアカウント設定Instagram運用を始める際は、「プロアカウントへの切り替え」が必要です。プロアカウントで追加される機能には以下のようなものがあります。インサイト機能ショッピング機能お問い合わせ機能有料広告の出稿カテゴリラベルの表示個人用アカウントでも運用できるものの、分析機能であるインサイトや、商品の購入に促せるショッピング機能を考慮すると、変更しない手はないでしょう。Instagramの設定から「アカウント」に進み、プロアカウントへの切り替えを押すことで、アカウント設定ができます。関連記事:Instagramのプロアカウントへの切り替え方法は?メリット・デメリットも解説4. Instagram運用の2つのコツ【準備編】まずはInstagram運用の準備編として、以下2つを行いましょう。目的に合わせたターゲット(ペルソナ)設定をする正しいアカウント設計をするそれぞれ詳しく解説します。4-1. 目的に合わせたターゲット(ペルソナ)設定をするまずは、ターゲット(ペルソナ)設定を行います。ここで重要なのはターゲットを1人レベルに絞り込むことです。年代性別職業住まい趣味悩み上記のような点を設定し、どのようなユーザーに向けて情報発信を行うのか想定します。具体的な悩みを知ることで、よりターゲットに刺さる発信が可能となるでしょう。ただし、細かく絞りすぎて存在しない人物になっていないか注意を払う必要があります。うまくターゲットを想定できない場合は、自社の顧客に対しインタビューをするのも1つの手です。関連記事:Instagram集客で重要なペルソナ設定とは?手順や設定のコツを解説4-2. 正しいアカウント設計をするユーザーが自社のInstagramアカウントを閲覧した際に、興味をひかれてフォローしたくなる、もしくは商品やサービスに興味を持ってもらえるアカウントにしなければなりません。具体的に意識するポイントとして以下のようなものがあります。誰に何を発信しているのかを明確にする企業とInstagramアカウントの世界観や雰囲気に統一感を持たせるユーザーがフォローするメリットを明確に提示する競合との差別化どれだけ投稿に力を入れて取り組んでいても、アカウントに興味が持たれなければ大きな成果とは繋がりません。また、投稿がうまく拡散されていても、投稿内容とアカウントプロフィールに統一感がなければフォローに繋がりにくいというケースもあります。Instagram運用開始時にうまく設定するのはもちろん、運用中にも目的がぶれていないか常に確認することが大切です。5. Instagram運用の6つのコツ【運用・投稿編】運用の準備が完了したら、次に運用・投稿におけるコツを6つ紹介します。フォロワーが増える仕組みを理解するアルゴリズムに基づいたInstagram運用をするリールやストーリーズをうまく活用する適切なハッシュタグを付けるフォロワーとのコミュニケーションを積極的にとるユーザーの滞在時間が伸びる施策を打つアカウントを効率的に伸ばすために全て重要となるため、それぞれ詳しく解説します。5-1. フォロワーが増える仕組みを理解するInstagram運用を行いフォロワーを伸ばすためには、まずは自身のアカウントがフォローされる仕組みを理解しておく必要があります。具体的な流れは以下のとおりです。既存のフォロワーから素早く多くのアクションを獲得投稿が発見タブに掲載されてフォロワー外に拡散投稿に興味を持たれてプロフィールに遷移フォローされるフォロワーが大きく伸ばすためには、ハッシュタグ以上に発見タブへの掲載が重要です。また、発見タブに掲載されるためには、既存フォロワーから素早くいいねや保存を獲得することが大切となります。関連記事:Instagramでフォロワーを増やす施策11選!フォロワー増加の流れや仕組みも解説5-2. アルゴリズムに基づいたInstagram運用をするInstagram運用を行ううえでアルゴリズムの理解は必須です。Instagramの公式サイトでも明言されていますが、フィード投稿やストーリーズ、発見タブの表示順には、アルゴリズムによってルールが定められています。すべてが公開されているわけではありませんが、フィード投稿やストーリーズの場合は、直近の数週間でやり取りや、投稿への反応が重要になります。発見タブの場合は、投稿に対するいいねやコメント、保存数がどれだけ素早く増えたかが重要な要素です。新規フォロワーを獲得するには、発見タブへ載せられるかが大きな分かれ道となるため、投稿に対する反応スピードを上げる必要があると理解するとよいでしょう。反応の中でも最も重要なのは保存数といわれています。※2024年4月30日にInstagramより最新のアルゴリズムが発表されました。気になる方は以下の記事を御覧ください。関連記事:【2025年最新】Instagramのアルゴリズムとは?公式見解をもとに解説5-3. リールやストーリーズをうまく活用するフィード投稿が多く利用される傾向にありますが、リールやストーリーズも掛け合わせて利用することで、リーチ数を増やしフォロワーとのコミュニケーションを取ることができます。リールは、15秒から90秒程度のショートムービーですが、フォロワー外にも拡散されるためリーチ数が伸びやすい傾向にあります。ストーリーズは、24時間で消えてしまいますが、質問機能やアンケート機能、クイズ機能などフォロワーとのコミュニケーションが取りやすい機能です。フォロワーとのやり取りが増えて親密度が高まることで、通常のフィード投稿が表示されやすくなるため、投稿への反応率が上がり、発見タブに乗りやすくなることが考えられます。また、フォロワーからの質問回答などをストーリーで行う際は、プロフィール下に表示されるハイライトに追加することで、いつでもフォロワーが閲覧できるようになります。関連記事:Instagram(インスタグラム)のリールとは?作り方や伸ばすためのコツを紹介関連記事:インスタグラムのストーリーズとは?上げ方や閲覧・保存方法・活用法を解説5-4. 適切なハッシュタグを付けるフォロワーを大きく伸ばすためには発見タブへの掲載が重要ですが、ハッシュタグを合わせて活用することにより、フォロワー外へのアプローチを手助けできます。また、運用開始直後などは、フォロワー外からの閲覧を獲得する上で重要な役割を果たします。ハッシュタグ選定で重要なのは、投稿に関連するキーワードを選ぶことです。ハッシュタグの数で度々議論されることがありますが、重要なのは数よりも質と押さえておきましょう。投稿と関連性のないハッシュタグを付けることで、投稿の表示が制限される可能性があるため注意が必要です。関連記事:Instagramのハッシュタグとは?効果的な付け方や注意点を解説5-5. フォロワーとのコミュニケーションを積極的にとるInstagram運用で重要な指標として「ホーム率」を紹介しましたが、ファンとのコミュニケーションがこの数値に大きく影響します。Instagram公式が発表しているアルゴリズムに、フィード投稿をフォロワーに表示させやすくするためには「直近数週間で投稿者とフォロワーで何回やり取りがあったか」という指標があります。DMやストーリーでの質問やアンケート、投稿でのコメントのやり取りなど積極的に行うことで、自身の投稿が表示されやすくなり、ホームからの閲覧数を増加できるでしょう。5-6. ユーザーの滞在時間が伸びる施策を打つホーム率を増加させる方法として、ユーザーの滞在時間を伸ばすことも重要となります。「プロフィール下にハイライトとしてストーリーズをまとめる」「投稿内で関連する投稿を紹介する」というように、自身のコンテンツに多く触れてもらうことが大切です。また、簡単な施策として投稿における画像数を増やすことも1つの手でしょう。6. Instagram運用の3つのコツ【分析編】次にInstagram運用で重要となる分析のコツも紹介します。PDCAを回しながら運用を継続するいいね数や保存数が伸びる投稿の傾向を掴むレポートを作成して根拠を持った改善をする6-1. PDCAを回しながら運用を継続するターゲット設定やアカウント設計を行い、アルゴリズムに基づいた運用をしている場合でも、目標どおりにアカウントが成長するわけではありません。そのため、実際に運用を開始して、目標とする数値に対して何がどの程度足りないのか分析したうえで、改善を繰り返す必要があります。重要なのは現状や課題点を言語化することです。分析ツールなどをうまく活用することで、データ分析やレポート化を効率化できるため、利用してみるのもよいでしょう。Instagram分析サービスである「HINOME」は無料プランも用意しています。投稿分析や異競合分析の手助けをしてくれるため、興味のある方はぜひご活用ください。■インスタグラム分析ツール「HINOME」→詳細はこちら6-2. いいね数や保存数が伸びる投稿の傾向を掴むいいねを獲得するには、共感をうむ投稿や魅力的に感じてもらえる投稿。保存数を獲得するには、後で見返したいと思ってもらうことが重要になります。ただし、発信ジャンルやコンセプトによって、いいねや保存数が伸びる投稿は様々です。競合の投稿を見て反応の取りやすい内容を分析するとともに、自身で発信したコンテンツの反応を振り返ることが重要となります。6-3. レポートを作成して根拠を持った改善をする単に投稿を続けるだけでは、どの投稿が反応が取れて、アカウントがどのような推移で伸びているのか判断するのは難しいでしょう。闇雲な運用にならないためにも、どの施策がどのような効果を生んだのか振り返られるようにしておくことが大切です。有料プラン限定となりますが、Instagram分析ツール「HINOME」にアカウント登録をすると、以下のようなレポートを簡単に出力できるようになります。■インスタグラム無料分析ツール「HINOME」→詳細はこちら関連記事:【2025年最新】おすすめのInstagram分析ツール16選!ツールの選び方や特徴を解説7. Instagram運用における注意点最後に、Instagram運用をするうえでの注意点を4つ紹介します。ターゲット層がInstagramにいるか確認する継続的に投稿できるコンテンツが用意できるかハッシュタグばかりに注力しない運任せの運用をしないInstagram運用の成果を出すうえで欠かせないポイントとなるため、運用する際は必ず押さえておくようにしましょう。7-1. ターゲット層がInstagramにいるか確認する運用前に押さえておくべきポイントとなりますが、自社のターゲット層のInstagram利用率が低ければ、大きな効果は期待できません。令和4年8月に総務省が作成した報告書によると、各SNSにおける利用率は以下のようになっています。※画像引用元:総務省情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」Instagramの利用率が最も多い年代は20代となっており、利用率は78.6%です。一方年齢層が高くなるに連れ利用率が落ち、60代においては13.4%です。このことから10代や20代といった若年層向けにサービスを提供したい方に向いていると言えるでしょう。また、年齢層だけでなく発信のジャンルも意識する必要があります。Twitterが文章なのに対し、Instagramは画像や動画がメインのSNSです。画像で魅力が伝わりやすいアパレルや飲食、美容、インテリアに強い傾向にあります。人気が高いほど競合が多くなるため一概には言えませんが、「ハッシュタグ検索などを行い投稿数があるのか?」もしくは、「競合アカウントで成果を出している企業があるのか?」を確認することが大切です。7-2. 継続的に投稿できるコンテンツが用意できるかInstagram運用で挫折してしまう原因として、投稿に労力がかかりすぎてしまうという点があります。Instagram運用において継続して投稿することが重要となるため、投稿の素材となる画像や動画が用意できるかを、あらかじめ想定しておくことが大事です。飲食やファッションなどの有形商材は比較的素材の収集がしやすいため、無形商材を扱う場合に特に注意したほうがよいでしょう。また、ユーザー自らが自社を紹介してくれた投稿(UGC投稿)を紹介することで、労力を下げるコツです。HISのInstagramでは、「#his_japan2023」をつけて投稿したユーザーを、紹介するという取り組みをおこなっています。ユーザーは、HIS公式アカウントにメンションをしてもらった上で画像を紹介してもらえるため大きなメリットとなり、運営側も投稿作成の手間を省いて発信することが可能となります。7-3. ハッシュタグばかりに注力しないInstagram運用のイメージとして、「とにかくハッシュタグ選定が重要」と考えられているケースがありますが、投稿を伸ばすための優先順位としてはあまり高くありません。一定程度の選定は必要となりますが、ハッシュタグよりも「発見タブへ表示させること」が重要です。発見タブに表示させるために重要なのは、投稿をした際の保存数やいいねのスピードや数です。初速を上げるためにも、既存フォロワーに投稿を見てもらうことが重要となるため、普段から反応率の高い投稿やフォロワーのコミュニケーションを心がけるとよいでしょう。関連記事:Instagramのハッシュタグとは?効果的な付け方や注意点を解説7-4. 運任せの運用をしないInstagram運用の成功率を上げるには、アルゴリズムを理解した運用と、PDCAを繰り返すことが重要です。発見タブへの掲載も決して運で決まるわけではありません。Instagram公式が投稿のランク付けについて発表しているように、必ずルールがあります。日々の分析を行いながら改善案を出し、試行錯誤を続けることが大切です。関連記事:インスタグラム分析の4つの方法とは?重要視すべき指標や無料ツールも紹介8. 手間をかけずにインスタ運用するなら運用代行もあり「Instagram運用を始めたいけど、リソースの確保が難しい」「自社のみで効果的な運用ができるか不安」という方もいるでしょう。そのような方は、運用代行を依頼するのも1つの手です。自社のリソースを使わずに、Instagramの知見のある会社に運用を任せることができるため、効果的な運用を期待できます。また、クオリティの高い投稿を継続でき、キャンペーンや新しい施策などの提案をしてもらえる点もメリットと言えます。ただし、費用がかかってしまう点には注意が必要です。委託する内容等によって価格は様々ですが、10万円~数十万円が相場となることが多いです。まとめ本記事では、Instagram運用を成功させるためのコツについて紹介してきました。初めての運用の場合、フォロワーが増えるイメージが湧かないということも考えられますが、一定のルールに従って運用を進めることで、成功の確率を上げることも可能です。継続した運用や分析・改善の繰り返しが必要となりますが、本記事で説明した運用のコツや注意点を参考にしていただけると幸いです。■インスタグラム分析ツール「HINOME」→詳細はこちら